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風力発電入門講座① 風力発電の課題と可能性

風力発電入門講座1回目「次の再エネ旋風になるか!? 風力発電の課題と可能性」
風車の大型化は世界的潮流。日本も欧州も洋上へ本格進出。市民風車再興へ、各地で続々。

[取材協力]一般社団法人 日本風力発電協会 専務理事 中村成人氏

 

導入はアメリカ、欧州が先行日本は10年以上の遅れ

世界全体で風力発電の導入状況を見ると、2014年の累積導入量は369.6GWに及びます。近年は、中国が国策により導入量を飛躍的に伸ばし、アメリカやドイツも堅調に導入量を増やしています。その中で、日本の導入量は世界第19位に甘んじています。
導入の歴史を見てみると、風力発電導入に最も早く取り組んだのはアメリカでした。1970年代の2度にわたるオイルショックを経て、アメリカはパルパ法という石油代替エネルギーを推進させる法律を成立させました。1980年代初めには、コージェネレーションシステム(熱電併給)など石油消費を抑える機器の導入が進み、なかでも、風力発電導入はブームになるほど盛り上がりました。

1990年代に入ると、イギリスが非化石燃料による発電を大々的に取り入れる法整備を進めたことを契機として、ドイツなど欧州諸国で一斉に風力発電の大量導入が進んでいきました。風力発電のキーデバイスである風車は、製粉の動力として昔から実用化されていたため、長い歴史の中で技術が確立されてきました。

日本での普及のきっかけは、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)です。先進国に温室効果ガス排出削減目標を義務付ける京都議定書が採択され、地球温暖化対策として、ようやく日本でも風力発電が注目されるようになりました。欧米と比較すると、日本では導入開始が10年以上遅れているのです。日本の導入量がまだまだ少ないのもやむを得ないと言えるでしょう。

風力発電の注目キーワード

「超大型」風力
「超大型」風力
可能性 三菱重工(写真)をはじめ、世界の風力発電機メーカーがこぞって着手。大型化すると設備利用率(一定期間の発電量比率)を改善することができ、安定的に発電できる。
課 題 大型化の課題は、建設コストが増大すること。風車は大きさに比例してコストも上昇する。日立製作所などは大型化しつつコストを抑えた風車開発に取り組んでいる。

「市民ファンド」風車
「市民ファンド」風車
可能性 市民ファンドは、固定価格買取制度前に実施していたRPS制度の時に盛んに建設された。近年、建設機運は再び盛り上がってきている。
課 題 市民ファンドにより建設される風力発電設備は風車1~2基の事例が多い。自治体や事業者が運営する数十基の発電設備と比べると、事業規模に限界が。ただ欧州では市民ファンドで風力が増えた実績も。

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