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日本の住宅用太陽光発電を世界基準に近づける方法 [前編]

2012年の固定価格買取制度(FIT)導入以前から普及が進む日本の住宅用太陽光発電。今後の更なる普及には、日本の常識を世界の基準に近づける必要があるという。世界の太陽光発電に精通しているプロインゾ ジャパン代表の伊集院誠氏に話を聞いた。

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日本の常識をくつがえす
JSEMAが示す新基準

FITの見直しなどを受けて、業界では住宅用太陽光への関心が高まっています。私たちは、世界52ヶ国で展開するヨーロッパ大手ソーラーシステム専門商社プロインゾのネットワークをかし、各国の住宅用太陽光市場を見続けてきました。海外と見比べて思うのは、やはり日本市場の特異性です。

日本の住宅用PV市場ではシステム機器を一括してメーカーより購入することが主流ですが、海外ではプロジェクトに合わせてインストーラー(販売・施工会社)が各部材ごとにメーカーを選定するのがスタンダードです。

私はかねてより、海外のスタンダードに日本市場も近づけていくべきだと考え、尽力してまいりました。しかし、1社でできることには限界があります。そんななか出会ったのが、一般社団法人 日本あんしん設備保全協会(JSEMA)さんだったのです。

JSEMAの取り組みは、「維持・管理」に客観的な指標を与え、「補償制度」と組み合わせることで、メーカー保証頼りのシステム構築ではない世界標準のやり方を可能にするものなのです。JSEMAの掲げるミッションは、「将来にわたり安心できる太陽光発電住宅の普及」。それは、「自然と共存するエネルギー世界を日本から実現させる」という、私たちプロインゾ ジャパンのビジョンとも重なるものでした。

プロインゾ ジャパンは、JSEMAと手を取り合いながら、太陽光発電の健全な普及拡大に取り組んでまいります。

JSEMAの役割

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住宅建築側の視点を導入
維持・管理・記録保管に指標

国土が南北に長く、積雪や台風など厳しい環境下で使用される日本の住宅用太陽光。様々な屋根材にも対応しなければならず、そこには非常に高い技術力が求められます。日本で住宅への設置がすすんだのは、業界が一体となって普及拡大に取り組んできたからでした。しかし一方で、施工現場に技術の伝達が行き届いているとは、必ずしも言えません。架台のラックや金具の位置が違う、ビスが足りない、コーキングがおろそか、配線が未接続の状態で放置されている等々、施工がしっかりとできていない事例もありました。

ここには、施工現場の管理体制や、引き渡し後の維持・管理・記録保管に対しての取り組みがメーカー各社それぞれの基準に委ねられてきたという背景があります。しかし今後、住宅用太陽光のさらなる普及をすすめていくためには、各メーカーの独自管理基準ではなく、住まい手や住宅建築側の目線による客観的な管理評価基準が求められてくるでしょう。

JSEMAは、まさにそれを実践しています。太陽光発電に関わる協会はいくつかありますが、住宅用を中心に、その維持・管理・記録保管を主眼として全国規模で取り組んでいる協会は、私が知るかぎりJSEMAがはじめてです。

住宅用太陽光には、発電設備であると同時に、住宅設備の1つであるという難しさがあります。この点でも、同協会には太陽光発電サイドと住宅建築サイド、それぞれにエキスパートが揃っているので安心です。維持・管理契約を結んだ案件に対して、客観的な管理基準に基づく定期的調査を実施し、太陽光の長期安定稼働と住宅資産価値の維持に努めてくれるのです。

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後編に続く


撮影・取材・文/廣町公則

※『SOLAR JOURNAL』vol.18 より転載

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