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新FITが動き出す[前編]

これからFIT認定を受けようとする事業者にはもちろん、すでに認定を受けている事業者にも大きな影響を及ぼす、新FIT法。その改正のポイントとは……。

2012年7月のFITスタート以来、これまでも省令等による運用見直しは行われてきましたが、法改正による抜本的見直しは今回がはじめて。経産省は、今回の改正を「再⽣可能エネルギーの最⼤限の導⼊と国⺠負担の抑制の両⽴を図りエネルギーミックスを実現するため」としています。一部改正とはいいながら、その実態はまさに“新FIT法”の成立です。発電事業者にとっても、電力小売りに関わる事業者にとっても、これからのビジネスに直結する大変革となることは間違いありません。

設備認定から事業認定へ
「電力会社との接続契約」が前提に

FIT認定の仕組みそのものが大きく変わります。これまでは計画中の発電設備が認定要件を満たしているかが問われましたが、これからはそれに加え、発電事業の実施可能性が厳しく審査されることになります。これまでの設備認定から、事業認定に大きく舵を切ったといえるでしょう。

具体的には、認定要件として「電力会社との接続契約の締結」が盛り込まれている点が特筆されます。FIT認定を受けた後に、設備機器の値下がりを待ってから電力会社と接続契約を結ぶなどということは、もうできません。

また今後は、FIT認定を取得したら一定期間内に事業を開始しなければならなくなります。例えば、事業用太陽光の場合で3年という運転開始期限が設けられます。これらにより、空押さえ(認定を受けたにもかかわらず事業に着手しない)は実質的に不可能となります。

認定済み案件にも新制度を適用
2017年4月までに接続契約ないと「認定失効」

注意しなければならないのは、新しい認定制度は、既に認定を受けている案件にも適用されるということ。つまり、新FIT法が施行される2017年4月1日までに電力会社との接続契約が結ばれていないと、認定が失効してしまうのです(※)。

そうなったら、要件を満たした後に改めてFIT認定を受ければよいわけですが、基本的に新規申請と同様に扱われますから、買取価格(調達価格)も変わってしまいます。買取価格の下落が大きい太陽光の場合など、事業に与えるダメージは甚大です。

契約までに9ヶ月かかるケースも
大至急、電力会社に接続申込みを

FIT認定を受けていながら未だに接続申込みをしていない案件については、大至急、電力会社に接続申込みをしなければなりません。経済産業省によると、電力会社に接続申請をしてから接続契約の締結に至るまでには9ヶ月もの期間を要する場合があるとか。2017年3月31日までに確実に接続契約を結ぶためには、2016年6月30日までに申込みを済ませておかなければならないのです。

仮に、この日を過ぎてしまっても、契約に要する期間はケースバイケースですから、とにかく一日も早く申請することをお勧めします。接続契約提携を先延ばしにしていたばかりに、せっかくのFIT認定が失効してしまっては元も子もありません。

一方で経産省には、これにより空押さえによる滞留案件を一掃し、市場環境を整えていきたいという狙いがあります。一部事業者には厳しい新制度ですが、再生可能エネルギーの電力系統への接続可能量が限られている現状にあって、不健全な滞留案件のせいで事業性に優れた新しい再エネ設備の導入が阻まれているとすれば、今回の改正には大きな意義が認められるべきでしょう。

 
※現行制度で7月1日以降に新たにFIT認定を受けた場合は、電⼒会社との接続契約にかかる時間を考慮し、認定から9ヶ月の猶予期間が与えられる。この猶予期間内に接続契約を締結すれば失効は免れる。
 

(後編に続く)


文/廣町公則

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