政策・マーケット

再エネが繋げない? 送電線「空き容量ゼロ」は本当か

「空き容量ゼロ」なのに
実際の利用率は
20%未満

解析の結果は驚くべきもので、東北電力が「空き容量ゼロ」としている全14幹線(送電線の線路)において、実際の利用率はいずれも20%未満(2016年9月1日~2017年8月)であることが分かった(表1)。利用率が最も小さい十和田幹線(上北~岩手)の利用率は2.0%、次いで北部幹線(上北~岩手)が3.2%、最大でも北奥幹線(能代~青森)の18.2%だった。

実潮流に基づく空き容量の年間平均値は、最小の奥羽幹線(羽後~宮城)でも1154MW、最大の十和田幹線(上北~岩手)に至っては9756MWもある。さらに、懸念材料とされてきた送電混雑も、実際には年間を通じて全く発生していないことが明らかになった。

(表1)  主要幹線の空容量および利用率比較
(2016年9月1日~2017年8月31日)


北海道電力エリアにおいても、状況に大差はない。「空き容量ゼロ」とされた幹線は6路線あるが、実際の利用率は次の通り、いずれも20%未満だ。函館幹線(双葉~北七飯):15.3%、日高幹線(南早来~岩清水):13.4%、旭川南線(旭川~旭川嵐山):12.9%、道南幹線(西双葉~大野):10.9%、道央南幹線(西双葉~南早来):9.5%、名寄幹線(西名寄~旭川嵐山):8.2%

透明性ある情報開示と
公平な接続ルールを

安田教授は今回の解析結果について、「電力会社が公表する空き容量はいずれも0 MWとなっており、これらの数字の乖離には著しいものがある。このことは、現行の空き容量の算出基準の技術的根拠や現在の運用ルールが、透明性・公平性・非差別性・効率性の観点から著しく不合理であることを示唆している」と話す。

「空き容量ゼロ」が、再生可能エネルギーの導入拡大を阻んでいることは間違いない。送電網を増強するなど容量を増やす取り組みを進めることは重要だが、まずは実際の空き容量を適切に開示し、公平な接続ルールを策定することこそ急がれるべきだろう。


取材・文/廣町公則

 

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