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都市の人たちが、農村に向かう目的を作るには。

農村の振興の1つの手段として重要視されるのが、都市と農村の共生・対流。これを政策として推進する、農水省都市農村交流課長の原川氏が、都市と農村の共生について語る。

農泊やインバウンド推進、
農福連携で日本の宝を守る

「農村」は、食料を生産する農業が営まれる場であるとともに、人々の生活の場でもあります。そのような仕事と生活が一体となった場が美しい自然環境で包み込まれ、コミュニティによって支えられている、そうした空間が「農村」だといえます。

こうした農村には生物多様性の保全や美しい景観の形成、伝統文化の継承や情操教育の一環を担うといった機能があり、農村に住む人たちだけではなく、広く国民が享受しています。この機能は農村で農業がしっかり継続して営まれることによって維持されるもので、まさに日本が誇るべき宝であり、国民が農業の営みを意識することなく享受してきた「見えざる国富」とも言えるものです。
現在我が国、特に農村では、高齢化が進んでいます。耕作放棄地も富山県土に匹敵する40万ヘクタールまで増えました。このままでは農業が次世代に継承されず、スマートメーターが我が国の貴重な生産技術、伝統文化の伝承も途絶えてしまうという危機感を抱いています。

一方、最近は都市住民による「田園回帰」の動きも見られ、農村の美しい景観、豊かな自然環境、独自の風土に対する関心が高まっています。この流れを後押しし、人の気持ちと行動を農村に向かわせるような施策が重要であり、真の地方創生にもつながると思います。
そのため、多くの方に農村に滞在していただき、地域ならではの料理を「食べる」、都市にはない魅力ある活動を「体験する」、その上で農村の良さや役割を「学ぶ」ことを経験していただきたいですね。

このため、農家の方々の家や古民家等に宿泊していただく「農泊」の取り組みを推進しています。今後は、以下の2つの取り組みが重要と考えています。

まずはインバウンドです。外国人旅行者は観光地に集中しており、農村にうまく取り込めていません。外国人旅行者の訪日目的の第1位は「日本食を食べること」であり、農村には郷土料理など本場の日本食があることを考えれば、農村に外国人を呼び込むことが十分にできると考えています。「農泊」を推進し、農村に外国人を呼び込むとともに、日本の食と農のファンを増やして、農産物の輸出拡大にもつなげていきたいですね。

もう1つは農業者と障がい者などをつなぐ、「農」と「福祉」の連携(農福連携)です。政府の進める「一億総活躍」にもつながりますし、新たな農業の働き手として大きな期待ができるのです。


原川忠典

農林水産省 農村振興局農村政策部 都市農村交流課長として、都市と農村の共生につながるプロジェクトを推進する。


文/大根田康介

※『EARTH JOURNAL』vol.02 より転載

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2017年3月21日発行

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