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「食」の楽しみ方は、レストランで学ぶ

おいしいって何だろう?生産者と消費者をつなぐってどういうこと?「食」について考えるきっかけを、自然と与えてくれるレストラン。「FARMSHOP」で、食べることがさらに楽しくなるかも。

 

心を満たす旬の味わい
食を楽しむ全ての人のために

開放的な広い天井と、広い窓から差し込む優しい自然光に満たされた店内は、食事を楽しむ人々の弾んだ会話で溢れている。子どもから大人までが同じテーブルを囲み、その誰もが笑顔を見せていた。

“Farm to Table(農園からテーブルへ)”をテーマにした 、カルフォルニア発・ハイカジュアルレストラン「FARMSHOP」は、二子玉川の駅から徒歩3分の場所にある。休日は家族連れで賑わい、ベビーカーを押しながらウインドーショッピングを楽しむ主婦も多い街だ。月に一度程度のペースで、ファーマーズマーケットも行うという広いエントランスは、ベビーカーをたたむことなくそのまま店内へ入ることができる。「食」を楽しもうとする全ての人を、受け入れようとする気持ちが伝わってくる。

テーブルに運ばれてくる料理は、どれもイキイキとしていていた。旬の野菜はパリッと新鮮でみずみずしい。ここで使用されるているは、主に契約農家の減農薬野菜だ。「旬の新鮮なものを、一番美味しい状態で提供したい」という想いから、厳選された食材たちが並ぶ。

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ニッコリとした笑顔が素敵なクレイグシェフは、食の楽しさを教えてくれる

 

ここFARMSHOPを、「アルチザン(職人)の作ったものを、料理というフィルターを通して伝えていく場所なんです。」とクレイグシェフは言う。(アメリカ出身のシェフは、生産者を「アルチザン」と敬意を持った意味で表現した)

今は、契約農家と取引をするレストランも、そう珍しくはなくなった。それ自体は新しい取り組みとは言えないだろう。だからこそ、大切なのは「本当の信頼関係」である。「信頼関係」と一言でいうのは簡単だが、「本当の信頼関係」とは、互いに尊重し合う心がなければ成立しないものだ。シェフの料理がどれも、素材の持ち味を最大限に引き出すよう調理されていたのは、素材に対する敬意の表れだったことに気づく。また、その気持ちが生産者にも伝わるからこそ、農園からいい素材がシェフの元に届けられているのだ。

体験を通して考える
食卓の先にある風景

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はじめての生地作りに、少し緊張気味の様子

 

「わぁぁすごい! ねぇ、見てみて。すごいでしょっ!」。コックコートを着て、ピザ生地をこねる子ども達の姿が微笑ましい。不定期に開催するKID’S COOKING CLASSは、シェフ直接指導のもと、生地から作るピザ教室とあって本格的だ。大人たちは周りから様子を見るだけで、生地作りからトッピングまで、すべて子ども達だけで作り上げる。はじめは不安そうにしていた子も、次第に笑顔になっていく。シェフが空中にクルッと生地を回し伸ばせてみせると、子ども達の目がより一層、輝きはじめた。「すごーい! そんなこと出来ないよ〜」と言いながら、真剣な眼差しへと変化した。

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生地をこねる触感に、戸惑いつつも笑顔が溢れ出す

 

自分の手で食材に触れ調理することで、子ども達も何かを感じたことだろう。この野菜はどこから来ているだろう?ピザ生地は粉から出来ていたんだ!そんなことを感じたかもしれない。好きな食材を選びトッピングする中「きのこは乗せないの?」というお母さんの言葉に、普段は食べないという苦手なきのこを自らトッピングしてみせる子もいた。作ることの楽しさを通して、食材に対する気持ちも変化したようだった。子どもの頃の体験は、のちに大きな財産となることだろう。

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好きな具材をトッピングする頃には、プロ顔負けの真剣な表情に

 

また、広々としたエントランスで行われるKID’S COOKING CLASSはコミュニケーションの場にもなっていた。参加者(保護者も含め)同士の会話はもちろんのこと、食事に来ていた一般のお客さまも、様子を見ては話しかけてくるのだ。子ども達の一生懸命な姿に誰もが笑顔になり、次回はぜひ参加したいと声をかけてゆく。食べることを通して、人と人とが繋がり合う素敵な瞬間だ。

気軽に始められる
「食」を考えるということ。

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9種類の具材を乗せるキッズピザ(1200円)なら、いつでも楽しめる

 

レストランでは注文すればいつでも温かい料理が並び、スーパーに行けば調理された惣菜が気軽に手に入る世の中になった。ともすると、私たちは忘れてしまいがちだが、農園からテーブルまでの過程には、素材を作る人や調理する人など、たくさんの人が関わっている。自分の食べるものに興味を持つことは大切なことだ。

しかし多くの人は、忙しい日々の中で「食」を考え続けることは難しいのが現実だろう。では、何からはじめれば良いのだろう。クレイグシェフに尋ねてみると「例えばハーブとか、最後のトッピングのひと手間を加えるだけでも良いと思いますよ」と、今すぐにでも出来そうな答えが返ってきた。例えば、ベランダで気軽に始められるガーデニングハーブで、いつもの食卓に彩りを加える。ほんの少し手を加えるだけでも、自らの意志が食に現れ料理に関わることが出来るのだ。

「食育」というと、どうも堅苦しくなってしまう気がしてならない。「食」とは、本来もっとシンプルであっていいはずだ。食べることを考え、誰かと分かち合い、おいしさを感じるられる日常こそが「豊かさ」であり「贅沢」なことなのかもしれない。“Farm to Table(農園からテーブルへ)”想いを馳せることで、幸せが大きく広がることは間違いないだろう。

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KID’S COOKING CLASSが行われた、開放的なエントランス

 


HP:FARM SHOP 公式サイト


Text&Photo:Tomoko Kotaka

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