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街ナカにある「自給自足」カフェ

京都市にある「なやカフェ」はいわば、知る人ぞ知るお店。営業時間も決まっていないし、電話もない。メールによる予約制なのだ。それでも、自前の畑で採れた野菜を使った料理や自家焙煎のコーヒーの美味しさに、一度訪れるとリピーターになる人も多いという。

我慢しなければ生きれない
なんて、おかしい

京都市にある「なやカフェ」の店主、宮田さんは自らを〝中途半端〞だと言う。高校生の頃から「この世の中、自分が楽しいことだけやっていては生きていけない。何かしら我慢しなきゃいけないのは、おかしいんじゃないか」……漠然とそう考えていたそう。そんな想いもあってか、高校卒業後に就職した料理関係の仕事は、ほどなくして退職。それからしばらく、北海道で農家の手伝いなどをしながら暮らしていたのだとか。

「農作業自体は嫌いじゃなかったんですけど、農家になるのは無理だと思いました。とにかくお金がかかる。始めるために莫大な借金を背負うなんてできないな、と」。

そうして、(本人曰く)逃避の末、辿り着いたのがお店の経営。ところが、知り合いに頼まれて共同で始めた最初のお店は、パートナーにお金を持ち逃げされ(!)、借金返済のために続けるはめに。しかし、返済が終わる頃には、納得できるまでやりたいと思うようになっていた。

「2軒目のお店は、好きな畑作業を優先して、営業時間も決めずに“1年間だけやろう”と始めたんですが、続けるうちに、自分にはこれしかないと思えてきて。料理人にも、農家にもなれない自分の“足りないところ”ではなく、できるところを組み合わせてやれるのが、これだった。中途半端が活かされた感じです(笑)」。以来お店は7年目。最大の特長は、ほとんどの食材を自給していることだ。

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「はじめは自給自足なんて夢の話だと思っていました。でも、気づいたらできていたんです。畑が楽しくて」。なやカフェは、畑の広がる農村ではなく、いわゆる〝街中〞にある。宮田さんは、散歩している時に空き地を見つけると、地主さんに掛け合って借りる算段をつけ、畑にしてしまった。生ゴミや飼っている鶏や排泄物から作った有機肥料を使っている。2年前には狩猟免許も取得し、鹿を中心に肉の自給も始めた。そうしたお店で培った経験とノウハウを是非教えて欲しい、と頼まれてワークショップを開くことも多いという。

「よく、スゴイですねとか、偉いですねとか言われますけど、僕は何も自分が特別な人間だとは思っていません。やりたい気持ちがあって、無理せず楽しめる範囲でやってきただけですから」。

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なやカフェ
Mail:mail@78naya.com(完全予約制)
Facebook:yuki.nayacafe
Twitter:@naya_cafe


文/畑山護之(partisan)

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